小林聡美が思う家族や友人との心地よい形「距離感を持ちながら味方でいてくれる」

――今回50年近く前の作品を舞台にしますが、時代が変わった今、家族であることの大切さを描く本作を上演する意義というのはどういったところに感じられますか?
小林:うーん。家族の話ですけれど、家族って、たまたま家族になっただけというか。DNAとかでは同じようなところを引き継ぎながらも、年の近いきょうだいでも経験したり感じたりすることは全然違ったりしますよね。一緒の時間をたくさん過ごしているからチームみたいな感じではあるけれど、別々の人生を歩んでいる人たちが成長するためにチームを組まされたみたいな、そういうところもあるような気がしていて。
そういう視点から見ると、50年前の家族の話だけど今の家族にも通じるものがきっとありますよね。親には分かってもらえないような事情が子どもたちにはあり、子どもには言えないような事情が親たちにはあり、共感できるところがたくさんあると思うんです。だから、今も変わらずにそういうことをやっている家族というものを見て、人がそれぞれどう思うのかというのもこの作品の見どころの1つだと思います。
崩壊してしまって家もなくなってしまった家族が新しい1歩を踏み出すわけですけれども、それは前とはまた違った形になるだろうし、脈々と流れている家族という形の愛情はあるけれど、不条理な感じっていうのは、今の時代でも共感できる部分ではないかなという風に思います。
――小林さんが思い描く幸せな家族の形というのはどんなものになりますか?
小林:やっぱり距離感をちゃんと持ちながら、味方でいてくれることかな。何してほしいという意味じゃなくて、何かの時にこの人たちはきっとわかって受け入れてくれる、そういう安心感ですかね。それがあるとないとじゃ全然違いますよね。でも、多くを期待するところではないような気がしていて。自分の人生があるように、家族にもそれぞれの人生があるし。でも、やっぱり味方であってはほしいですね。
――お友達や付き合いの長い方との関係で、心地よい付き合い方というのはどういうものだと思われますか?
小林:家族に求めるものに似ちゃうかもしれないんですけど、そんなにしょっちゅう一緒にいなくても、あの人に話したらちょっとわかってくれそうとか、自分がほっとするとか、そういう信頼が持てる関係。この人に話したらちょっと本音が言える、受け止めてくれる、そういう人がいると安心だし、もうちょっと頑張れるっていうところがありますよね。
でも、ずっと一緒にいるとそういう人でもちょっと…となってしまうのがまた人間関係の難しいところで。だから一緒にいられるってやっぱり自分が楽な人でしょうね。緊張しないで自分が自分らしく、だらしないところを見せても受け入れてくれる人が長く友達でいられるのかなと思います。

