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世界を魅了した『プリティ・ウーマン』のアイコニックなファッション 衣装デザイナーの奮闘も

映画

■真っ赤なイブニングドレス

 エドワードとヴィヴィアンがビジネスを離れ、デートで訪れたオペラの舞台。エドワードはこの夜のために、高価なジュエリーやプライベートジェットを用意し、演目も裕福な男性と恋に落ちる娼婦のお話『椿姫』と、これ以上ないほどにロマンティックなシチュエーションを演出。映画の中でも最高にうっとりさせてくれるシーンのひとつだが、ここでヴィヴィアンが纏うのはオフショルダーの真っ赤なイブニングドレスだ。

写真提供:AFLO
 今も記憶に残る美しいドレスだが、実現にはひと悶着あったようだ。ヴィヴィアンの赤毛との相性に不安を覚えたスタジオ側は、当初黒いドレスを希望し、マリリンの提案を拒否。それでも衣装デザイナーのマリリンは、赤こそこのシーンにふさわしいと意見を曲げず、3着のドレスを作成し、テスト撮影を繰り返した結果、見事このドレスが採用された。マリリンはこの時の様子について、「かわいそうなジュリアは、このドレスのために何度も写真撮影やカラーテストをしたの。おかげで、ついにふさわしい色合いを見出し、皆に私の方向性を理解してもらえたわ」と述べている。

 このドレスは映画史に残るアイコニックなドレスと位置づけられ、これまで、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館やロサンゼルス・カウンティ美術館など、さまざまな博物館、美術館に展示されている。

写真提供:AFLO
 ちなみに、このシーンでエドワードが用意したネックレスは実際に高価なもので、撮影中は銃を携帯したセキュリティが張り付いていたそう。ジュエリーのケースでヴィヴィアンの指先をパクっとはさむシーンは、長い撮影で疲れていたジュリアの気分をアップさせようとリチャードがアドリブでしたもので、彼女の笑顔はまさに本物!

 この他にも、ヴィヴィアンが初めてのビジネスディナーで身に着けた黒いカクテルドレスや、イジワルな店員に一泡吹かせた時に着ていた白いワンピースなどなど、本作には公開から30年以上経つ今も色褪せないファッションがたくさん登場。ハロウィンコスチュームとしても今だに人気があるのは、皆に愛されている証と言えそう。(文:寺井多恵)

 映画『プリティ・ウーマン』は、日本テレビ系『金曜ロードショー』にて今夜3月3日21時放送。

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